
皮膚は表皮、真皮、皮下組織(脂肪層)の3層に分類され、それぞれの皮膚の層が特定の機能を担っています。
表皮
表皮は3層のうちの一番上の層で、層の厚さは約0.2mmと手のひらや足の裏など特殊な場所を除きサランラップよりも薄くなっています。
表皮には角質層、メラノサイトがあります。
肌の一番外側の表面の部分は角質層といい、何層もの薄い角質細胞が重なってできて、絶えず新しい層に生まれ変わり、古くなった層はいわゆる垢(あか)となります。
角質層の厚さはわずか0.02mmのととてもうすいのですが、硬質ケラチンと呼ばれる特殊なケラチンを含むとても丈夫な蛋白質でできており、細菌やウィルスといった病原菌などの体内への進入を防いだり、体内の水分の蒸発を防いだりとバリアの働きをしています。
メラノサイトは、メラニンと呼ばれる暗い色の色素を生産する細胞で、紫外線をよく浴びるとメラノサイトの数が増え、メラニン色素の生産量も増加するため、肌の色が黒くなります。
メラニン色素は、角質層を通り抜け進入してきた紫外線を吸収や散乱することで紫外線の害から体を守る働きをしていますが、過剰な生成がしみやソバカスの原因となります。
真皮
真皮層の3層の真ん中の層で、厚さは約1.0mmあり、血管や神経、皮脂腺、汗腺、痛みや刺激を感じ取る受容体があります。
血管は皮膚に酸素や栄養素を供給するだけでなく、皮膚に暖かさを感じさせる体温調整の働きをしています。
真皮は、線維と基質で構成されていて、皮膚の弾力性やハリを保つ働きを担っています。
線維は成分は約90%がコラーゲン、残り10%はエラスチンなどでできていて、真皮内を網目状に張り巡らされて、皮膚の弾力を作り出しています。
水分をたっぷりと抱え込むことができるコラーゲンやヒアルロン酸など酸性ムコ多糖類などが、網目状に張り巡らされた線維のすき間を埋めるように満たしていて、水分を保持し皮膚の潤いを保っています。
皮下組織(脂肪層)
皮下組織は3層の一番下の層で、主に脂肪で構成されており、体温の発散を防いだり、体を高温や寒冷から遮断して守ってくれたりしています。
また、すぐ下には筋肉や骨があり、外部の圧力などから筋肉や骨を守るクッションの働きをしています。
いわゆる肥満の原因となる皮下脂肪がここに蓄えられますので、太っている人の皮下組織層は厚くなります。
赤ちゃんの皮膚は、脂肪層がとても多くてぷにゅぷにゅしていますが、反対に皮膚を保護する角質層はとても薄いため、外部からの刺激に対してはデリケートです。
一方、年をとってくると、皮下脂肪が失われていき、真皮と表皮も薄くなって、真皮層の線維が断片化するので、皮膚にしわができやすくなってきます。
また、皮膚の表面を保護する働きをする皮脂の生産量も減少するので皮膚が乾燥しやすく、皮膚の血流も悪くなるので皮膚が損傷した時の治癒力も低下して回復が遅くなります。