アトピー性皮膚炎の予防法

アトピー性皮膚炎を引き起こす要因はいろいろありますが、それらの体に刺激を与える原因を1つずつ取り除いていくことがアトピー性皮膚炎の予防につながります。
体に刺激を与えないためのアトピー予防法を列挙します。
どれも簡単に実行できることばかりですので、是非取り組んで下さい。


爪をこまめに切る

簡単なことですが、結構実行していない方が多いようです。
アトピー性皮膚炎では、体のかゆみによって体を掻く行動を無意識にしてしまいます。
日中は我慢していても、夜寝ているうちに無意識に掻いていることもよくあることです。
体を掻いてしまうと皮膚が傷つきアトピー性皮膚炎の症状がさらに悪化してしまいます。
爪をこまめに切ることで、掻いたときの傷を極力減らしましょう。

汗を拭く

汗をかくこと自体は、体の新陳代謝がよくなりますので、アトピーにも良いことです。
しかし、汗には塩分や毒素が含まれていて、その刺激によって炎症がおこり、かゆくなって掻いてしまい、アトピー性皮膚炎が悪化してしまうのです。
ですから、日頃からタオルやハンカチを手放さずに、汗をかいたらすぐに拭くようにしましょう。

刺激物の摂取を控える

刺激を強い物を食べると、体が痒くなります。
辛い食べ物は極力控えましょう。
スナック類もあまりよくありません。

部屋をきれいにする

ハウスダストやダニはアトピーの天敵です。
部屋をよく掃除をして、布団や枕などは天日に干す。
通気性をよくしたり、空気清浄機を使ってクリーンにして下さい。

熱いお風呂に長く入りすぎない

お風呂に入ることは体を清潔にするためにも、とても重要なことです。
ただし、熱いお風呂に長時間入って体が温まると、痒みが増してきます。
お風呂はあまり熱くしすぎないようにして、痒みが起こる前にサッとでるようにしましょう。

お風呂の塩素を中和する

体の汗などを洗い流せば、痒みが治まるように思うのに痒くなってくる、という経験はありませんか?
実は水道水には、殺菌するために塩素がたくさん入れられており、その塩素にとって体が刺激され、痒みを引き起こしているのです。
これを解決するためには、この塩素を中和すればよいのです。
塩素を中和してくれるものの1つが、ビタミンC。
ビタミンCを1gでよいのでお風呂に入れて下さい。
これで塩素が中和されて痒みが軽減します。
ビタミンCは、正式名称をアスコルビン酸といい、薬局ですぐ購入できます。

刺激の少ないシャンプーや石鹸、洗剤を使用する

シャンプーや石鹸、洗剤などは、界面活性剤の働きによって汚れを落としてくれます。
ところが、一般に販売されているシャンプーや石鹸、洗剤などのほとんどは、安価な石油系の合成界面活性剤が使用されており、これには毒性があることが知られています。
合成界面活性剤は、皮膚から浸入しますので体にとって有害であるうえに、その他の化学物質と一緒に体内に侵入するとその化学物質の毒性を何倍かに強くすることがあるといわれています。

脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムの界面活性剤を使用したものを本当の『石けん』と呼び、安全性が高い安心な商品です。
アトピー性皮膚炎の方は特にこの脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムの界面活性剤を使用した商品をご使用下さい。

体を消毒をする

私たちの体には常在菌が住み着いています。
皮膚が丈夫な方ではこの常在菌は何ら問題ないのですが、アトピー性皮膚炎の方の弱い皮膚では、特に黄色ブドウ球菌が出すが毒素で炎症を起こし痒みを増幅する原因となるのです。
消毒液の代表的なものはイソジン液ですが、イソジン液は皮膚の細胞にも作用して傷つけるので、全身に使用する場合には、入浴前に塗って、塗ったら2〜3分ぐらいですぐに洗い流すようにしましょう。
また、超酸性水によって細菌の繁殖を防ぐ消毒方法もありあます。

アトピー性皮膚炎の治療法

アトピー性皮膚炎を根本的に治療する方法は、現在のところ見つかっていません。
そのため、皮膚科の病院ではアトピー性皮膚炎の症状を抑えるためにステロイド剤、保湿剤、かゆみ止め(抗アレルギー剤)の薬が処方されるます。

ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)

ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)は皮膚の炎症を一時的に抑えるためには非常に効果的です。
ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)には、作用の強いものから弱いものまで数種類あり、アトピー性皮膚炎の症状の進行具合によって使い分けられます。
また、顔の皮膚は薄くてデリケートなため、顔には作用の弱いステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)が体に塗るものとは別に処方されます。
しかし、症状が改善されたからといってステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の使用をやめると再び症状が現れ、かえって以前より症状が悪化することもありますし、長期間の使用で副作用のでる可能性もありますので、いつまでもステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)に頼るのもどうかと思います。
それでもやはり症状がひどい場合にはひとまずステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)で症状を緩和させましょう。

保湿剤

ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を使用しながら保湿剤も同時に使用すると効果がありあます。
私たちの皮膚は体に悪影響を与えるものが外界から進入してくるのを防いだり、体内から水分が蒸発するのを防いだりするバリア機能があります。
アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下していますので、外界からの刺激を受けやすく、また水分が蒸発しやすいため皮膚が乾燥してしまうのです。
保湿剤はこのような低下した皮膚のバリア機能を補ってくれるのです。
アトピー性皮膚炎の症状がひどいときには、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を比較的多く塗って、症状が改善してくるとステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の使用量を少しずつ減らしていって、保湿剤中心に変えていくとよいでしょう。

かゆみ止め(抗アレルギー剤)

アトピー性皮膚炎に付きものなのがかゆみですが、かゆみによって皮膚を掻きむしることで皮膚が傷つき、アトピー性皮膚炎をさらに悪化させます。
ですから、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの化学伝達物質を抑える抗アレルギー薬を服用してかゆみをコントロールし、皮膚の状態が悪化するのを防いであげるのです。

いずれも一時的な症状改善にすぎませんので、根本的な解決には生活習慣や生活環境の改善など必要ですので、薬による治療をしながらアトピー性皮膚炎の原因となる要因をなくしていきましょう。

アトピー性皮膚炎とアレルギー

アトピー性皮膚炎は、外部から体内に異物が進入してくることを防ぎ体を守ろうとする免疫機能が過剰に反応した状態です。
つまり、本来免疫機能は体にとって有害な物質に対して起こる反応ですが、アトピー性皮膚炎のようなアレルギー体質では、体にとって無害な物質に対しても異物として認識してしまい免疫反応が起こり、自身の体にも害を与えてしまうのです。

私たちの体には体外に進入してきた異物(=抗原)を感知するするために、免疫グロブリン(=抗体)と呼ばれる蛋白質が存在します。
免疫グロブリンには5つの種類があり、特にアトピー性皮膚炎など私たちの体に害を与える免疫グロブリンはIgEと呼ばれる急性のアレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンです。
IgEは、ヒスタミンをはじめとした各種化学伝達物質を持った肥満細胞と結びつき、IgEが抗原結合すると肥満細胞から化学物質が放出されます。
このヒスタミンに代表される化学物質によってかゆみなどのアレルギー反応が引き起こされるのです。
アレルギー体質の方は血液検査をするとこのIgEの数値が高くなっています。

アレルギー反応は遺伝する確率が高く、両親がアレルギー体質であると子供に約50%の確率で遺伝し、片親だけがアレルギー体質だと約30%の確率で遺伝すると言われています。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、いろいろな刺激に反応しやすい皮膚の病気で、アレルギー性疾患の1つです。
主に皮膚の炎症からおこるかゆみや乾燥など症状が繰り返し起こり、症状が悪化すると全身にひろがります。
アトピー性皮膚炎は小さな赤ちゃんから大人まで発症し、アトピー性皮膚炎を発症する患者の数は年々増加傾向にあります。
特に小さな赤ちゃんがアトピー性皮膚炎にかかっているのをみると本当にかわいそうです。
現在のところアトピー性皮膚炎の明確な原因は不明であり、根本的な治療方法は見つかっていません。
多くの場合は、精神的なストレスや気候の変化、細菌感染、ハウスダスト、ダニ、衣類の刺激、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させます。
ですから、これら我々の体に刺激を与える要因を減らして、アトピー性皮膚炎の症状をいかに抑えるかが今現在できるアトピー性皮膚炎対策、対処法となります。
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